井ノ原　みおん／エテルナ京都

忙しさにかまけて、いつも断ってばかりの同窓会に初めて顔を出した僕。後で聞いたら、君も卒業し上京して以来だったんだね。久々に見る君はあの頃の少女の面影を残したまま、それでいて時にドキッとするほど色っぽくて。毎日の部活でこんがり小麦色だった肌は透き通るように白くって、華奢な身体はすっかり女らしくセクシーな曲線を帯びて、でもその天真爛漫な笑顔と、はにかむような悪戯っぽい表情はそっくりそのまま十代にタイムスリップしたみたい。運命、なんてこの歳になって小っ恥ずかしいけど、正直僕はあの日、あの瞬間から君に首ったけさ。ひとしきりお酒も入った二次会、そんな柄じゃない僕が酔っ払った悪友にけしかけられてがなり立てた青春時代の流行歌。『何から伝えればいいのか　分からないまま時は流れて』あれは僕からの、僕なりの、君への精一杯の告白だったんだ、君は僕の歌なんてそっちのけで顔を赤らめて女子トークに熱中していたけどね（笑）。
一回りも年上の旦那様、凄く優しい人なんだってね。スマホで見せてくれたツーショット写真の中で君は本当に満ち足りていて楽しそうで。勿論猛烈に嫉妬心もあるんだけど、それ以上に僕は君の幸せが幸せで、経験したことのない感情に戸惑うばかり。でも、僕はもう心に決めているんだ。今は決して言えないけど、いつかきっと君のその吸い込まれるような大きな瞳を見詰めて打ち明けるよ。『心から、愛してる』って・・・

明日になれば君をきっと
今よりもっと好きになる
その全てが僕の中で
時を越えてゆく

君のために翼になる
君を守りつづける
やわらかく君を包む
あの風になる

ラブ・ストーリーは突然に　小田和正　１９９１年リリース