ニューヨークは マインドフル旋風｜夏目／グッドワイフ

ニューヨークは マインドフル旋風

2024/04/18 (木) 12:01:28

近年「マインドフルネス」というメンタルケアが世界中で大ブーム。

発祥の地である米国の中でも、パンデミックの影響が大きかったNYでは様々なアクティヴィティに進化しています。

日本でも最近よく耳にすることがあると思いますが、簡単に言えば「過去や未来ではなく”今この瞬間”に意識を向けること」で、瞑想や呼吸法などを使った心理療法のひとつ。心を落ち着けることで、ストレス軽減や集中力アップがもたらされるといいます。そのキーワードから分かるようにルーツは仏教（禅）ですが、1979年に米国人医師が考案した宗教的部分を排除した治療プログラムが「マインドフルネス」の始まり。「心の筋トレ」とも称されるメソッドは、今では医学的、脳科学的にも、その効果が証明されているのだそうです。

大きく注目を集めるようになったのは、2007年にGoogleが健康増進と社員育成のために「瞑想プログラム」を採用したこと。すぐにシリコンバレーで普及し、金融からエンタメまで多分野の企業、そして教育機関に浸透していきました。ただし、それは食事や運動の生活習慣に気を遣う健康志向な層（ほぼエリート層）に限られたお話で、一般大衆に広まったのはコロナ渦のストレスフルな状況だったようです。　

ストレスを抱えるのは大人だけではなく、CDC（米国疾病対策予防センター）によれば、子供の3割がメンタル不調とのことで、NY市は昨秋から公立校（幼稚園～高校）で毎日2分以上の瞑想が必修という思い切った教育政策をスタートし、大きなニュースになりました。

元々、ヨガ愛好家が多いNYには教室は数多くありましたが、今では瞑想に特化したスポットも至るところに点在。シンプルに心のケアをする人々がいる一方、会費のお高いスタジオには富裕層の経営者や投資家探しをする野心家たちが集い、バーやラウンジに代わる新たなビジネス交流の場として人気というのがNYらしさかもしれません(笑）。　

教室以外にも、市内を巡回するバス移動式のスタジオ「Be Time」も。こちらでは約15分ほどのカジュアルな瞑想ができるため、忙しいニューヨーカーに好評のようです。

また、様々な美術館やギャラリーでも開催されます。

ドレスアップが基本の格式高いカーネギーホールで始まったばかりのイベント「Well-being concert」もかなりユニーク。
客席に導入されたクッションやマットで寝転んだり雑談しながら楽しむというもので、料金も$15〜30とお得なのも嬉しいポイントです。

さらに斬新なのが、NY発の独身者向けの出会いイベント「The Feels」。

瞑想、アイコンタクト、手を繋ぐといったマインドフルの手法を組み合わせて、ありきたりな自己紹介ではなく軽い身体的接触から親密さを深めるものだそう。マッチング率の高さから、昨年始まったばかりなのに、すでに様々な都市へと広がる大人気イベントとなっています。　

日本で1500年以上前からあったと言われる「禅」。

心の内側を観察するという、その瞑想法から派生したマインドフルネスの進化は、まだまだ続きそうです。