輝ける場所｜佐藤／グッドワイフ

わたしには
高校3年生の
お友達がいます





彼は

すごく運動神経が良く
特待生で
強豪校へ胸膨らませ
寮生活に
挑みました



親御さんも
それなりの覚悟を決めて
背中を押したと思います



責任感の強い彼は
毎日
一生懸命
練習に励み頑張っていました

しかし
次第に

仲間と
意見の食い違いなどあったりで

次第に
行き詰まり

抱いていた夢が
崩れていきました


シューズが
ゴミ箱に捨てられていたり
露骨に無視されたり

いわゆる
いじめがエスカレートしていきました

しかし
ご両親に
支援してもらっているから
と言いい

自分さえ
我慢すればいい
と

円形脱毛症を
隠しながら
ひたすら
頑張っていました



冬に帰省したとき


ちょうど
祖母も亡くなり
母の心も不安定となり

結果として
地元に戻って
転校することになったのです


悔しかったとは
思いますが



今思うと
彼の心が壊れてしまう前に
道がついて
良かったと思いました




大好きな
スポーツ
自分が現役で活躍することは
潔く諦め


自分が育った
小学生のチームの
コーチとして
お手伝いにきてくれるようになりました



傍ら
某ファーストフード🍔の
バイトもこなし

可愛い彼女もでき

念願の大学も決まりました




『食べにきてくださいよ』
と
憎めない笑顔で
言うもんだから


月1という
我が家のルールは
今
月2になってしまいました




彼は
今までの一連を
通して
何一つ
後悔していない

むしろ

こうやって
新しい道ができて
毎日が楽しいと言う



執着せず
時の流れに
身を委ね


そのとき
そのとき
を
生きてゆけばいいのかなと


彼をみて
思いました




自分が
輝ける場所に
いけばいい





とびきりスマイルの
接客の
彼をみて
私は
嬉し泣きしそうになる